朝ドラ『ばけばけ』の冒頭、主人公一家は「武士の時代の終わり」に直面し、動揺と不安を抱えながら新しい生活を模索します。
視聴者としても、「武士の時代の終わり」とはどのような出来事を指すのか気になるところでしょう。
単なる物語上の設定ではなく、日本の歴史の大転換点が背景にあります。
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武士の時代やその後の時代の変化、、、歴史が苦手で全然覚えてな~い!

大丈夫!分かりやすく解説するね♪
- 武士の時代がどんな社会だったのか
- なぜ終わったのか
- 武士たちはその後どう生きたのか
武士の時代 ― 約700年続いた武家社会
武士の歴史は、平安時代の末期に地方で力を持った武士団から始まります。
彼らは武力によって土地や荘園を守り、その存在感を増していきました。
やがて1192年に鎌倉幕府が成立し、日本は本格的に「武士が政治を担う社会」へと移ります。
鎌倉、室町、戦国を経て、1603年に徳川家康が江戸幕府を開きます。
ここから約260年にわたり、日本は安定した武家政権のもとで統治されました。
江戸時代の社会は「士農工商」という身分制度で成り立ち、その最上位に武士が位置づけられました。
武士は戦いの場に立つ存在であると同時に、行政や治安維持を担う「お役人」でもありました。
俸禄(ほうろく)と呼ばれるお米やお金を主君から受け取り、それを生活の糧にしていました。
つまり武士は、刀を差して威張る存在ではなく、「主君に仕え、秩序を守る専門職」として社会に不可欠な役割を果たしていたのです。
武家社会はなぜ終わったのか?散切り頭とは?
19世紀半ば、ペリー来航をきっかけに日本は開国を迫られ、幕府の権威は揺らぎ始めます。

だからトキのお父さんはペリーを恨んでいたんだね~
国内では尊王攘夷(そんのうじょうい)運動や倒幕運動が広がり、1868年の「明治維新」によって江戸幕府はついに崩壊しました。

当時の天皇の許可なしに「日米修好通商条約(不平等な条約内容)」を結んだ幕府に対して不満が募り、尊王(天皇を尊ぶ)攘夷(外国勢力を排除)しようという動きが高まったんだよ。
新政府は、西洋諸国に並ぶ近代国家を目指して次々と改革を進めます。
その過程で、武士という身分そのものが制度的に不要となっていきました。
- 廃藩置県(1871年):藩が廃止され、武士は主君を失う。
- 断髪令(1871年):武士に限らず役人や兵士が髷(ちょんまげ)を切ることが奨励される。
刀と髷を誇りとして生きてきた人々にとって、髷を切ることは精神的な大転換。 - 秩禄処分(1876年):武士の生活基盤だった俸禄が廃止される。
代わりに国債(「金禄公債」)が支給されたが、利子収入だけでは生活を維持できないことが多かった。 - 廃刀令(1876年):武士の象徴だった帯刀が禁じられ、見た目からも「武士らしさ」が失われた。
こうした改革は、単に「武士の特権がなくなった」というだけではなく、約700年続いた武士中心の社会構造が完全に崩壊したことを意味していました。

トキの周りではみんな髷を落として散切り頭(洋風に短く切り込んだ髪型)にしてたね

髷を落とすことは、単に髪型を変えることではなく、武士の身分や誇りを手放し、近代社会へ歩み出す覚悟を意味したんだよ。
武士たちのその後 ― 新しい時代をどう生きたか
武士が制度的に消滅した後、元武士たちは「士族」と呼ばれる身分に再編されました。
しかし、もはや主君からの俸禄はなく、自力で生計を立てなければなりませんでした。
1. 官僚・軍人として仕える
学問や武芸に長けていた一部の士族は、新政府の役人や警察官、陸軍・海軍の軍人として採用されました。
従来の経験を活かせる道であり、比較的安定した生活を得た人々もいました。
2. 教育者として活躍
読み書きや武道の素養を活かし、学校の教師や武道の指導者となる人々も多くいました。
明治の学校制度整備において、士族の知識と技能は大いに役立ちました。
3. 実業家・農業への転身
政府は「士族授産(しぞくじゅさん)」という政策を打ち出し、士族に農地や資金を与えて農業や商業に挑戦させました。
北海道の屯田兵として移住した士族もいます。
しかし、商売経験のない者が多く、「士族の商法」と揶揄される失敗例も少なくありませんでした。
4. 困窮と反乱
一方で、十分な収入を得られず困窮した士族も多くいました。
生活に追い詰められ、不満を抱えた士族が蜂起する事件も起こります。
その最たる例が1877年の「西南戦争」で、これは武士が起こした最後の大規模な反乱とされています。

武士の時代が終わって上手く時代の変化に乗れた士族もいればそうじゃない士族もいるんだね

トキの家庭は残念ながら上手くいかなかったんだね💦
『ばけばけ』を理解する鍵
『ばけばけ』で描かれる「武士の時代の終わり」は、単なる一つの家族の悲劇ではなく、日本社会全体の構造転換を象徴しているように感じます。
「昨日まで当たり前だった武士という生き方が、今日からは存在しない」
そんな理不尽ともいえる時代の波に、多くの人々が翻弄されました。
『ばけばけ』のトキ一家が抱える葛藤や苦悩は、実際の歴史の中で数多くの人々が経験した現実そのものです。
歴史を知ることで、物語に込められた重みや登場人物の感情をより深く理解できますね。

まとめ|武士の時代の終わり
- 武士の時代(武家社会)は、鎌倉幕府から江戸幕府まで約700年続いた。
- 明治維新後、廃藩置県や秩禄処分、廃刀令といった改革によって、武士の身分は制度的に消滅した。
- 元武士(士族)は、官僚や軍人、教育者、農業・商業へと転身したが、困窮や反乱に追い込まれる者も多かった。
- 『ばけばけ』に描かれる「武士の時代の終わり」は、まさに日本社会の大転換を背景にしたリアルな物語である。
さぁ、トキの家族はその後の時代をどう生きていくのでしょうか?
今後の物語の展開が気になりますね😊


