先日車のエンジンをかけようとしたら突然、「シャシー制御 システム故障」と警告表示され、エンジンが始動しない――。
現代の車に多く搭載されている電子制御システムが原因のこのトラブルは、焦らず、正しい手順で対応すれば深刻な故障を回避できます。
本記事では、著者が実際に困りディーラーに点検をしてもらい専門家より聞いた情報をもとに
「シャシー制御とは何か?」という基本から、主な故障原因・応急対応・修理の必要の有無まで詳しく解説します。
- シャシー制御とは?
- エンジンがかからない原因とは?
- 復旧方法
- 点検には必ず出そう!
シャシー制御とは?〜車を支える基幹システム〜

「シャシー制御」とは、走行・制動・操舵・車高など、車両の安定性や乗り心地を担う要素を統合的に管理する制御システムです。
以下のようなサブシステムで構成されています。
制御項目 | 代表システム | 役割 |
---|---|---|
駆動制御 | TRC(トラクションコントロール) | タイヤの空転防止 |
車両安定性 | VSC・ESC(横滑り防止) | コーナリング時の横滑り抑制 |
ブレーキ制御 | ABS | 急ブレーキ時のロック防止 |
ステアリング制御 | EPS(電動パワステ) | 操舵アシスト |
車高調整 | アクティブサスペンション | 路面や速度に応じた調整 |
こうした制御はECU(電子制御ユニット)により統合され、異常が検出されると、安全のため始動制限や走行制限がかかる設計になっています。

つまり「車が自分で安全のためにストップしてる」ってことなんですね。
分かりやすく説明すると💡
今の車って、人間がブレーキ踏んだりハンドル回したりするだけじゃなくて、コンピューターがずーっと安全を見張っているということ。
そのコンピューターが、
「このままエンジンかけて動かしたら危ないぞ!」
って思ったときは、わざとエンジンを動かさないようにしてるんだ。
「システム故障」警告表示が出てエンジンがかからない主な原因
シャシー制御系の故障とエンジン始動不可は、次のようなケースが多く報告されています。
🔋【バッテリー電圧低下】
- 車両のECUやセンサー類に必要な電圧が供給されず、誤作動や通信断が発生
- 特に冬季・夏季や長期未使用後に多発
ECUってなに? → 車の中の「頭脳・司令塔」
最近では「Electronic Control Unit(電子制御ユニット)」とも呼ばれ、エンジンだけじゃなく、ブレーキ・ハンドル・ライトなど、車のすべてを管理する頭脳になっています。
⚠️我が家の場合は、これが原因でした。
・そもそもバッテリー交換時期が近づいていた。
・暑さでバッテリーの寿命が縮まりやすくなっていた。
・ショートトリッパーでアイドリングストップ機能が働くたびにバッテリーに負荷がかかっていた。
※ショートトリッパーとは?
→近場の運転(30分以内)をメインに使う人のこと。
通常、アイドリングストップ機能を使うと30分ほど車を走らせ電圧が元に戻ります。
しかし、ショートトリッパーの場合は電圧が戻る前にエンジンを切ってしまい常にバッテリーに負荷がかかってる状態になってるそうです。
おかげで後日、点検に持って行く際に赤信号で停車し青信号に変わって発信しようとすると、動かなくなり立往生しました💦
赤信号で停止した際にアイドリングストップ機能が働いたものの青信号で発信する際に再度エンジンをかける力が残ってなかったみたいです。
対処法としては、アイドリングストップ機能をオフにすることです。
エンジンをかけると自動でアイドリングストップ機能が働くので都度オフにしないといけないのが面倒ですが。
その方がバッテリーには負荷はかからないとのことでした。
📡【センサー異常(ABS・車速・舵角など)】
- 1つでも故障すると、シャシー制御全体がエラー扱いになる
- エラーコード例:C1231(ステアリングセンサー異常)など
センサー名 | 何を見張っている? | 人間でいうと… | 壊れたらどうなる? |
---|---|---|---|
ABSセンサー | タイヤが止まらず滑ってないか | 足の裏の感覚 | 急ブレーキ時に滑る危険がある |
車速センサー | 今どれくらいスピードが出てるか | 耳で聞くスピード音 | 速度が分からず制御が狂う |
舵角センサー | ハンドルが何度回っているか | 手が今どこ向いてるか感覚 | ハンドル切ってもズレた挙動 |
🔌【配線・コネクタの不具合】
- 配線の断線、カプラ(配線と配線をカチッとつなぐ接続器)の接触不良などで誤信号発生
- 雨天走行後や整備直後に起こりやすい
🧠【ECUの誤動作またはフリーズ】
- 車両の自己診断機能が誤作動する場合がある
- 簡易リセットで解消するケースも
自分でできる応急対応
とにかくエンジンがかからないと修理にも持って行けない!
焦らず一度以下を試してみてください。
応急策 | 方法 | 効果 |
---|---|---|
再イグニッション | キーOFF→数分→再始動 | ECUの再初期化 |
ブレーキ強踏み | 再始動時にしっかり踏む | センサー入力認識 |
※上記は自己責任の範囲内で実施を。
異常が解消されない場合は無理せずプロへ。
たまたまセンサーが異常をキャッチして動かなかったのか
常時異常をキャッチしてる状態なのか
きちんと点検をしたほうがいいので、後日きちんと点検してもらうようにしましょう!
必ず点検してもらおう!流れと費用目安
🔍ディーラーや整備工場での診断
- 診断機でのエラーコード確認→該当部品の点検・交換
- 作業時間:1〜3時間(症状による)
点検は1時間ほどで済みました。
我が家の場合はバッテリー交換が必要だったのでさらに30分かかりました。
💰修理費用の一例
故障部位 | 費用目安 | 備考 |
---|---|---|
バッテリー交換 | 5~6万円 | 車種により変動 |
ABSセンサー交換 | 1〜2万円 | 1輪あたりの価格 |
ステアリングセンサー交換 | 3〜6万円 | 車種により変動 |
ECU初期化・再設定 | 5千円〜2万円 | 一部車種で対応可能 |
ECU交換 | 8〜15万円 | 稀なケースだが高額 |
5. よくあるQ&A
Q. バッテリーを新品にしたのに同じ警告が出るのはなぜ?
→センサー異常やECU内部エラーの可能性があります。
バッテリー電圧が適正でも、信号処理側のトラブルが残っていることがあります。
Q. 車検の直後にこのエラーが出た。関係ある?
→あり得ます。
整備時の配線接続ミスやセンサー脱着後の再調整不足など、人為的な要因が関与することも。
まとめ
「シャシー制御 システム故障」の警告とエンジン始動不能は、車の安全装置が作動している証拠です。
焦らず以下を実践しましょう:
- 応急対応を数ステップ試してみる(再始動・電源リセット)
- 深刻なトラブルが起きていないか必ず点検を!
- エラー内容を正確に伝えると、修理の時間も費用も抑えられる