2025年12月7日のバレンシアマラソン。
日本新記録「2時間4分55秒」を樹立した大迫傑選手の足元は、
2025年に10月に契約したばかりの中国メーカーの LI-NING(リーニン) のシューズでした。
モデルはFEIDIANシリーズの6ELITEであると本人は語っています。
この記事では大迫傑選手が、バレンシアマラソンで履いていた靴について徹底調査しお伝えします。
大迫傑の靴はリーニンの“FEIDIAN6ELITE”反発強め・硬め・接地安定が特徴
大迫傑選手が履いていた新契約のリーニンのシューズ。
シューズのモデル:フェイディアン(FEIDIAN)シリーズの6 ELITEはどんな特徴があるのか。
↓旧モデル5 ELITE詳細はこちら↓
- LI-NING「FEIDIAN(フェディアン)」シリーズの最新プロトタイプ
- 大迫選手が好む「反発強め・硬め・接地安定」が特徴
- 市販モデルに無いプレート形状やアッパーデザインも確認され、テスト仕様の可能性が高い
大迫傑選手は自身のYouTubeや過去のコメントで、反発がクッション性や反発性を重視していると言っています。
また、リーニンはトップ選手向けに“発売前モデル”を供給することで知られており、
今回の足元が FEIDIAN Elite 系プロト(試作)版の6ELITEだとされています。
FEIDIAN 6 ELITEは、リーニンの中でも「勝つためのフラッグシップ」と位置付けられているシリーズで、厚底ながらも過度に沈まないカチッとした剛性が最大の特徴です。
推進力を生むカーボンプレートは、前作より前寄りに配置されていると言われ、接地した瞬間から素早く力が返ってくるよう最適化されています。
大迫選手の走りを見ると、接地時間が短く、足裏で路面を押し返す“前方向の推進力”を最大限に引き出すフォームです。
このタイプの選手にとって、柔らかく沈むシューズよりも、硬く反発の立ち上がりが速いシューズの方が相性が良いとされています。
実際、レース当日の写真からは、ミッドソールの層構造やかかとのフォルムが市販モデルと異なっており、プレートの角度や素材配分が試作仕様になっていることが見て取れます。
アッパーもより軽量でサポート性の高いメッシュが使われており、一般販売前のテストモデルである可能性が濃厚です。
トップ選手に提供されるプロトタイプは、市販モデルよりさらに反発性を引き出す調整がされることが多く、特に6 ELITEの系統は「とにかく反発の立ち上がりが速い」「接地がブレず安定する」と評価されています。
大迫選手の求める走りの特性と、今回のシューズの性能が一致しており、6 ELITEをベースにしたプロト版を選んだ理由がよく分かります。
大迫傑選手が履いていたリーニンFEIDIANシリーズとは|選んだ理由は反発の強さ

では大迫傑選手はなぜフェイディアンシリーズを選んだのでしょうか。
大迫傑のシューズ|リーニンFEIDIANシリーズの共通特徴
- カーボンプレート搭載(硬め)
- ミッドソールは反発性の高い“BOUNSE+”フォーム
- 接地が安定し、沈み込みが少ない設計
- 前足部の推進力が強い(大迫の好みと一致)
上記のような特徴があり以前まで履いていたナイキのアルファフライよりも“剛性高め”で、
大迫傑選手のような脚で押し出して走るランナーと相性が良いとされています。
ナイキの最上位マラソンシューズシリーズで、厚底ブームを決定づけたモデル。
大迫傑選手がナイキ契約時に履いていたシリーズとしても知られる。
大迫傑の靴リーニンFEIDIANシリーズ比較「後半に伸びる粘り型に合わせたタイプ」
| モデル名 | タイプ | 特徴 |
|---|---|---|
| FEIDIAN 5 Elite | 市販モデル | 軽量、縦方向の反発強め |
| FEIDIAN 6 Elite | 最新版 | 安定性が最も高い |
| FEIDIAN 6 Elite(大迫モデル) | 非売品 | プレート形状・アッパーとも市販と異なる可能性 |
特にFEIDIAN(フェイディアン)シリーズは、
大迫選手の走法「後半に伸びる粘り型」に合わせた剛性が強い印象です。
大迫傑の靴 アルファフライとリーニン(FEIDIAN)シリーズの比較表
| 比較項目 | ナイキ:アルファフライ | リーニン:FEIDIANシリーズ |
|---|---|---|
| 走行感 | 柔らかい・沈み込み→大きな反発 | 硬め・安定→強い推進力 |
| ミッドソール構造 | ZoomXフォーム+エアポッド+カーボンプレート | 高反発フォーム(BOUNSE+)+カーボンプレート |
| 特徴的機能 | エアポッドによる前足部の爆発的反発 | 底面の剛性と安定性が高い |
| 適性ランナー | ストライドが広く、沈み込みに強いランナー | 接地が強く、脚力があり押し出して走るランナー |
| 安定性 | やや低め(柔らかい分横ブレが出やすい) | 高い(硬さとプレート構造でブレを抑える) |
| トップ選手の使用例 | 世界記録ランナー多数 | アジア・中国のトップ選手。大迫傑も使用 |
| ターゲット性格 | 柔らかいシューズが好きなランナー | 剛性・反発が強いシューズが好きなランナー |
※この比較により、大迫傑選手がブランドを切り替えたことで 走りの哲学が柔らかさ→剛性重視へ変化したことが分かりやすくなります。
大迫傑のバレンシアマラソンの結果|順位・記録は世界的に見ても歴史的
バレンシアマラソン2025での大迫選手の成績は以下の通りです。
- 記録:2時間4分55秒(日本新記録)
- 順位:4位
- 大会レベル:世界トップランナーが集まる“年間最速レベル”
ちなみに優勝はケニアのジョン・コリル選手で2時間2分25秒でした。
2時間4分台は、世界のエリート選手の中でも上位に食い込む極めて高い記録で、
日本勢としては歴代でも突出しています。
世界的に見ても「2時間5分切り」はトップクラスの証明です。
特に、約3年ぶりのフルマラソン挑戦でこの結果を出した点は、
競技者としての復活を強く印象づけました。
新ブランド・新シューズとの相性を示す意味でも歴史的なレースとなりました。
大迫傑のマラソン経歴|リーニンとの契約が成功のカギ
大迫傑選手は“記録を塗り替える男”として知られる存在です。
- 2018年:シカゴマラソンで当時の日本記録を樹立
- 2020年:東京マラソンで日本記録更新(2時間5分29秒)
- 2020年:東京五輪で6位入賞
- 2021年:一度は競技引退
- 2023年:現役復帰
- 2025年:LI-NINGと契約し、バレンシアで再び日本記録へ
とくに、“一度引退してから再び日本記録を更新した”という背景は、
世界的に見ても極めて稀なキャリアです。
大迫選手はNIKE時代、厚底革命の中心にいた一人でしたが、
ブランドを移籍しながらも結果を出すことで、
自身の競技力の高さと、新ブランドの可能性を証明した形になりました。
大迫傑選手がリーニンと契約したのは、単なるギア変更ではなく――
- 熱心に声をかけてくれたリーニンの姿勢
- 実際に履いたときのシューズとしての性能とフィーリング
- アスリートとしての将来、価値 (= IP) を意識したキャリア設計
- 自由度の高いマネジメント/ブランド構築の可能性
――これらを総合的に判断した結果です。
中国メーカー「リーニン(Li-Ning)」とは
オリンピック体操金メダリストの李寧氏が創業した中国の大手総合スポーツ用品メーカー。
中国発のナショナルブランドとして、高品質なスポーツウェアやシューズ、ギアを提供しており、特にバドミントンやバスケットボールで有名、近年は中国文化を取り入れたファッションブランドとしても世界的に注目を集めている。
大迫傑選手の靴はリーニンのフェイディアンシリーズ|まとめ
大迫傑選手がバレンシアマラソンで履いていた靴は新契約のリーニンの靴。
モデルはフェイディアンシリーズの最新「FEIDIAN 6 Elite」のでした。
なぜ、フェイディアンシリーズなのか。
反発強め・硬め・接地安定の走行感を求める大迫選手の嗜好とフィットしたことが根拠にあります。
レース記録は 2時間4分55秒(4位)で日本新記録を樹立。
世界に及ばずとも日本の新記録を更新し続ける大迫傑選手に今後も目が離せませんね。

